ありがっさまりょうた! みんなで私たちの祖父母たちが残してくれたシマ唄を本当の演奏に蘇らせて、聴き、楽しみ、習い、学び、伝え、残しましょう!!
100年前の宝物を貸して下さった宇検村教育委員会様に感謝!
宇検村湯湾中山音女さんが残してくれたわきゃぬ宝物
それは過去から未来への大切な贈り物
今は伝え残されていない当時歌われていたシマ唄が詰まったSP盤レコードがあり
どうにか集めて復元したいです。
そんな中一番にご協力下さったのは宇検村教育委員会様でした。
職員の皆様は多大なご理解を下さり、メールでのご質問や調査にも親切にご協力をしてくれました。本当に真心のこもったご対応を下さりました。
村野教育長様 松元局長様 新元様 島民一同 心より感謝申し上げます。
2020年10月末日大切に保管されていた中山音女さんのSP盤2枚を貸して下さりました。レコードはとても大切に保管されており祖先に対する深い愛情を感じました。このレコードに音女さんの在りし日の唄声が残されているのだ!緊張します。
拝借したレコードにはたくさんの再生された痕跡が残っておりたくさん聞かれて楽しんだのだなぁと ホンワカした気持ちになりました。
ここから先の作業こそがSP盤レコードの録音回転速度に修正し演奏を取り出す作業です。
奄美シマ唄音源研究所の神髄ともいえる困難を極める検証開始です。
【レコード盤の洗浄から開始】
表面に付着した汚れやレコード溝に入り込んでいる埃や汚れを専用ブラシや専用ウエスなどを使用してきれいに洗浄しました。
★ 途中で針が同じところを繰り返してしまい再生出来ませんでした。
【レコード溝の修復作業】
レコードの溝が一部欠損しレコード針が同じところを繰り返してしまう経験をした人も多いと思います。この様な現象が起こっている場合には特殊な技術を必要とする方法での修復作業が必要です。奄美の仲間にはこの作業を行う専門機関での経験者がいる事でこのレコード盤の再生が可能となりました。
溝の修復作業を行いレコード針が繰り返さず通過するように仕上げました。
【音の抽出と演奏法や音程聴き取り】
その後音源修正担当者による音の抽出作業を行い音程聴き取りから始まり三味線の調律奏法などの分析・検証を済ませ科学的根拠を加味させた上で音女さんが実際に演奏された 在りし日の唄声に修正されました。
【レコードの返却とご報告】
そして一か月後の2020年12月上旬 実際の録音回転数に限りなく近く修正された音源4曲と資料が出来上がりました。
宇検村教育委員会様にレコード盤をご返却と検証結果報告のため、90年以上前の中山音女さんのリアルな唄声に蘇った4曲収録された資料CDを届けに行きました。
【分析結果】
分析の結果は、2枚4曲が同じTP設定(※)のカッティングマシンで録音された事やハヤマワシ紹介されている市販音源の再生回転数などが判明し今後の修正に有効な資料となりました。
詳細は宇検村教育委員会様にお渡ししております。
4曲の蘇った音源は宇検村教育委員会様へ寄贈してありますので、ご興味ある方は訪ねてみたらいいと思います。
宇検村教育委員会の皆様には 多大なご厚情を賜り心よりお礼申し上げます。
さらなる 全曲修正を目指してSP盤の情報をお待ち申し上げます。
※ TPとはTrace Pitchというレコード盤を針が進行する溝と溝の間隔の事である。TP設定によって限られた盤面積への録音時間や音圧などが制限される。また録音速度の調整により録音時間を変更することが出来る。戦前録音には78回転のルールに当てはまらない録音が多く残されている。